美大予備校と美大の違いと美大選びのポイント

美大で教わる授業は、やはり専門性の高いことが大きな特徴です。
受験生の皆さんは、美大の授業について色々と期待しているかと思いますので、今回は授業について語りたいと思います。

予備校と大学の違いとは

一言で言えば順位をつけません。明確にランク付けしないということです。
予備校ではデッサンが良い順に並べられたり、人に分かる形で口頭で言われたりしますが、大学では、「ここが良い、好き」または「ここが悪い、嫌い」といった、あくまでも意見に留めたりします。

他には、「これだったらこういう所で活躍できるね」「こうしたらこういうのも有りかも」と言った可能性を広げてくれる指導が多かったりします。

これに関しては、悪いことは言わずとも理解できるといった前提や、反応の少なさから察してくれといった教授の心理でもあります。

予備校講師でしたら、受験のこともあるため、きっぱりと言うはずですが、教授は予備校講師とは比にならない数の生徒を相手にしますので、一人ひとりを把握しているとは限らず、その場で判断する場面がかなりあります。
もちろん、教授と仲が良ければまた違った判断をくれるとは思いますが。

教授のほとんどが現役の芸術家でもあるため、個性的な人が多く中には何も言わない人もいるかもしれません。二人の教授の意見が割れたりすることもしばしば。その場合、どちらの意見を参考にするかは、作者自身に他なりませんので難しいところです。

経験談なのですが、教授に「○○が良い!」と言われた30分後に別の教授に「○○は修正すべき」ということを言われて混乱した記憶があるので、教授という存在は自由だなあという印象しかありません。
後はろれつが回らない教授もいて、何を喋っているか分からずに頷くことも…。

美大の授業の進め方

いきなり作業レベルから授業が始まることはありません。まずは、簡単な説明から入ります。私が通っている美大では、一週目は説明&オリエンテーションという形で内容紹介だけでおしまいでした。

デザイン実技授業(知育遊具の作成、パッケージ、調査、プレゼンの作成及び発表)を例にあげると、大体12~15回程度の授業で説明と講評の3~4回を抜いて、8回程の作業時間なので、内容の割に作業時間が明らかに足りないのです。空いた時間や居残りで作業をするわけで、気づくと生活が圧迫されている!!!!!!ということも。

実技を入れすぎてしまうと、生活が崩れたりして、慣れないうちは大変なので、自分のペースに合わせた調整をすると良いと思います。
工芸分野での焼き物等は、釜を使って作業する関係で、作業が遅れると焼けなかったりします。

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授業のレベルは展示で分かる

授業で制作したもので優秀なものは、展示されたりします。大学の授業レベルを知りたければ、この授業内制作物の展示を見るのが一番です。良い学校ほど、生徒が良い作品を作ります。当たり前のことですが。

芸術祭時の展示でもいいのですが、力がある学校ほど、空間に余裕ある施設を使い、見応えのある空間を作るんです。東京藝術大学がまさにそうで、外部の美術館で展示を行うといった事もありました。

もちろん、学校の力と生徒の力は必ずしも比例するとは限りませんが、生徒が良い物を作ろうとする心を支えるのは、学校の施設や授業内での教員のサポートなので、美大進学を考えている方は、そういった視点からも判断してみてください。

学校で大きなことが出来たという経験さえあれば、一人で出来るようにもなります。芸術家としての自立を促すような授業がある大学を選ぶと良いと思います。

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美大ナビ編集部
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