美術大学合格のために、ひたすらデッサンを続けてきた受験生としては、美大へ入学したらどれぐらいデッサンの時間があるのか気になるのではないでしょうか。美術大学でのデッサンの授業について触れてみたいと思います。
美大のデッサンの授業は1年に数回程度
美術大学では、自分の感性を磨くことが一番大切なことなので、基礎のデッサンをこなしていくというよりも、自分の表現したいものを描くための制作を通して、技術力もその中でレベルアップさせていく…というイメージです。
だからといって、デッサンを全く行わないというわけではありません。
特に油画科や日本画科などの絵画系の学科は、1年に数回はデッサンの課題や授業があります。
大学によって、絶対参加型か自由参加型なのかは分かれます。卒業制作のある4年生までは、人物デッサンと風景デッサンは1年に1回は行われると思ってよいです。
大学で行われるデッサンの授業について
風景デッサンについては、スケッチ旅行などで現地に赴き、2日間ほどかけてスケッチを行います。この場合は着彩まで行い、最後に全体で批評会をして終了です。スケッチする場所や構図なども、すべて自分で決めますので、今まで培ってきたデッサン技術が活かされます。
人物デッサンでは、モデルさんを呼んで、台上のモデルさんを囲むようにして、大人数でデッサンを行います。美術の予備校でも何度か行われると思いますが、それと同じイメージです。
どれだけ一生懸命描いても、構図が悪くては良いものはできませんので、場所取りが大切になってきます。
絵の描き始めは早めに行って、良い場所を確保できるようにしておきましょう。おすすめの位置は、手前でモデルさんが少し斜めに見えるところです。真正面や真横だと立体感を出すのが難しくなります。
制作の前のスケッチは必須!
数日間かけてデッサンを行う授業もありますが、制作には、必ず本番前のスケッチやラフデッサンが必要です。
写実的な絵でも、抽象的な絵でも、その絵のモチーフとなったもののデッサンを行い、構図を決めてから制作を行います。学園祭で展示する作品や卒業制作では、スケッチブックに着彩して、完成予想図をミニサイズで仕上げてから本書きに入ります。
そして制作前に取材に行き、写真ではなく実物を見ながらスケッチを行います。
そうすることで、実物を見た・触れた・匂いなど、写真では伝わらない部分まで、そのモチーフのことを知ることができ、作品に奥深さが出ます。実物を手に入れたり、その場所まで足を運び、外でスケッチをするのは億劫かもしれませんが、その努力は必ず作品に現れます。デッサンの練習としてもしっかり行いましょう。
この記事を書いた人
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幼少期から絵を描くのが好きで、中高生の頃はずっと美術部に所属していました。
周りの方のご協力もあり、私大4年生大学に現役合格しました。大学時代の専攻は日本画です。
現在は事務職メインですが、イラスト制作の仕事も行っています。
自分の体験もふまえてアドバイスしたいと考えています。
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